標題1

ニュージーランドの送電線
New Zealand

2011.08.01掲載

I traveled in the New Zealand in the end of December, 1995.
In the trip, I did not take power transmission lines with my camera.
However, I took scenery by a videotape (VHS-C).
There were some power transmission lines in the videotape which I took.
Steel tower photographs to show on this page are picture that focus is bad because I copied it from videotapes.
By the way, the power transmission line company started work to improve +/-350kVHVDC transmission system in 2009.
The company is going to complete the work in 2014.


 

 ニュージーランドには、1995年(平成7年)の年末から翌年の1月初めにかけて、年末年始の時期に旅行をした。

 その頃はまだ当サイト開設の計画は全く無かったので、現地での送電線スチール写真撮影はしていなかった。

 ただ、当時のVHS-Cテープ使用のビデオカメラで撮った中に一瞬の画質の悪い送電線鉄塔の動画データが僅かに収まっているだけであった。

 そのため、ニュージーランドのページは掲載してこなかった。

 ところが、最近2009年にニュージーランドの電力系統の骨格をなす+/-350kVHVDC送電線の大規模改良・改修計画が発表され工事が開始されたので、その紹介を兼ねて、あえて画質の悪い送電線写真データだが掲載することにした。


 


 右写真は、マウント・クック国立公園のフッカー谷で早朝に、サザンアルプスの主峰マウント・クック(標高3,764m)を撮ったものである。

目次

1.はじめに

2.+/-350kVHVDC送電線  

3.220kV送電線  

4.66kV送電線

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1.はじめに

 ニュージーランドは、日本に似て島国(面積は日本の約72%)であり位置が北半球と南半球の違いはあるが緯度も本州と北海道とだいたい同じで、気候は日本より寒暖の差が穏やかであるそうだ。

 日本と大きく異なるのは人口で約430万人と少なく、逆に羊は約7000万頭もいるそうで、一人当たり約16頭の計算になる。

 その人口の約70%は北島に住んでおり、南島は北島の1.3倍も面積が広いのに逆に約30%しか住んでおらず、南島は過疎の島と言える。


 さて、ニュージーランドの発電設備総容量は、約9,380MW(938万kW)(2008年)でそのうち水力は約5,380MWと60%弱を占めており、豊富な水資源を擁する水力発電の国である。

 主要電源である水力発電所は、その3分の2以上がが過疎の南島の南部にあり、需要地の首都ウエリントンやオークランドなどの北島に如何にして送電するかがニュージーランド電力系統の最大の課題であったと思われる。

 そこで1965年に南島水力発電所群の中心的地点から北島のウエリントン郊外まで約600kmの長距離の間に電圧+/-250kV、送電容量600MWの双極直流送電線(HVDC)を建設した。

 
そのルート概要は右図のごとくで、南島南部のBenmore交直変換所を起点とし、そこから約535km北上して南島北端から北島へクック海峡を約40km海底ケーブルで渡り、北島に上陸して約35km北上したHaywards交直変換所を終点としている。

 この送電線は建設当時は世界最長の直流送電線であった。

 ところで、南島は島の西寄りにマウント・クックを主峰とするサザンアルプスが南北に走っており、海からの水蒸気を多量に含んだ風がこの山脈に当たって年間降水量約4,000mmの大量の雨を降らすため、豊富な水資源を擁している。

 この大山脈では多くの山が万年雪に覆われ、かつ多数の氷河が存在し、水量豊富な河川があるため多くの水力発電所が開発・建設されて安定した発電を行っている。

 ニュージーランドは、発電単価の安い水力電源が主なので、電力料金も安く家庭用の電力単価は1kWh当たり約14円(換算レート:円/NZドル=60で換算)(2007年)である。

 さて、ニュージーランドの送電電圧階級は、上記の直流送電線(1992年以降250kVから350kVに昇圧)以外は、交流220kV、110kV、および地域により66kVまたは50kVが使用されている。

 なお、現在稼働している送電線の大半は1950年代に建設されたものであり、老朽化しているほか、電力需要増への対応として220kV送電線を330kVへ昇圧することも検討されているそうである。

2.+/-350kVHVDC送電線

 ニュージーランド送電系統の最高電圧・基幹送電線である「Benmore・Haywards線(HVDC)」は1965年に建設され、2010年現在で45年を経過した古い設備である。

 特に、交直変換設備の要である整流器には水銀整流器を使用しており、現在主流のサイリスタ・バルブに比較すると容量が小さくかつ保守・運用に難があるため現在ではほとんど使用されていないものが使われている。

 そこで1987〜1992年には、双極の片方の極をサイリスタ・バルブに交換しハイブリッド型としてグレードアップを図った。

 すなわち、ハイブリッド型の二つの極は、第1極が旧来の水銀整流器で270kV、540MW、第2極は新規のサイリスターバルブによる350kV、700MWで構成され、送電容量1240MWの変換設備として完成した。

 運転開始する時点で、海峡横断部分では、合計して1240MWの最大定格を有する4ルートの海底ケーブルを使った。

 ところが、2009年現在では、第1極の水銀整流器の半分は、老朽化のため2008年に廃棄され、第1極の残りの半分で北方方向潮流だけに限って運転を続けることとした。更に
1つのケーブルの損失で、第2極の送電容量は500MWに限られ、合計送電容量は約700MWに低減した。

 右上に2009年現在のHVDC系統概略図を示す。


 そこで、送電線運営会社のトランスパワー(Transpower New Zealand Limited)は、抜本的増容量計画(第3極プロジェクト)を立案し、2009年後半から大規模改良・改修工事に着手した。

 計画では、第1極の水銀整流器を全廃し、それに代わり第3極としてサイリスタバルブ化すると共に無効電力供給機器を増設し送電容量を段階的に増加させるもので
2012年(第1ステージ)に1,000MW、2014年(第2ステージ)に1,200MWまで増やし、更にはまだ未承認だが最終第3ステージ(2017年頃)には1,400MWまで増加させることになっている。

 右図にその系統概要を示す。

 なお、工事内容としては無効電力供給機器の工事が多くの比重を占めるが、図面が複雑になるので概略図には記載を省略している。

 このプロジェクトでは架空送電線設備は既設流用し特に工事を行わないが、「+極」の相では電圧が270kVから350kVに昇圧されるため部分的にクリアランスが不足する箇所について改修工事を実施している。

 以上に述べた+/-350kV 直流送電線(HVDC)の「第3極プロジェクト」の詳細については、送電線運営会社のトランスパワー社(Transpower New Zealand Limited)のホームページ(下記URL)で公開されているので興味のある方は訪問されることをお勧めする。

http://www.gridnewzealand.co.nz/hvdc-home




 以下に送電線の写真を掲載するがVHS-Cテープ使用のビデオカメラで撮ったもので、画質が大変悪いがご容赦いただきたい。



 鉄塔形状は世界的に直流送電線では標準的に用いられているタイプである。

 写真では架空地線は1条だが部分的に2条の区間もある。

 送電容量は1相当たり700MWであり、相電流は2,000A(1,000A/条)であるから電線線種はACSR610mu2導体相当が使用されていると思われる。

 アーム幅(線路幅)は約14mである。

 右上写真の撮影場所は、クライストチャーチの南西で、送電線起点のBenmore交直変換所に近いところである。



 右写真は、懸垂鉄塔のクローズアップ写真である。

 欧米で見られる簡素な
懸垂クランプが使用されている。

 がいしは標準的懸垂がいしが使われ、一連33個連結である。


 撮影場所は南島北端のブレナム付近である。





 上に掲げた鉄塔の起点側(若番側)に隣接した懸垂鉄塔を撮ったものである。




 耐張がいし装置使用の軽角度箇所の鉄塔である。ルートの水平角度は殆ど無いが前後径間電線が引き上げになり懸垂装置ではがいしが浮き上がってしまうため、耐張がいし装置を適用している。

 ルートが海岸近くで塩害対策上がいしを33個連結としてがいし装置が長く6m弱あると思われるが、そのためジャンパ線が大きくなる。従ってクリアランス確保のため水平角度の内側でもジャンパ線吊りがいしが使用されている。

 架空地線は遮蔽角を確保するため主アームより14〜15mほど高くしている。


 クローズアップ懸垂鉄塔の最初に掲げた鉄塔写真の終点側(老番側)隣接鉄塔を撮ったものである。



3.220kV送電線

 ニュージーランドの送電系統は、上記のDC+/-350kV以外は交流の220kVを最上位電圧・基幹系統とし、その下部に110kV、および66kVまたは50kVのローカル系統を用いて全国を網羅している。

 なお、冒頭の地図には、220kV以下の送電線ルートは記載を省略した。

 基幹系統の220kV送電線は、右写真のようなえぼし型鉄塔による1回線タイプの鉄塔と、下に掲げる標準型2回線タイプの鉄塔の2種類を使用している。

 電線は見た限りすべて2導体方式を採用していた。

 線路幅(アーム幅)は約13.5mである。

 撮影場所は、
クライストチャーチの南西郊外であった。




 右写真は、2回線垂直配列の標準型である。

 電線は2導体でオフセットは無く、線路幅は約10mで最下部のアームだけクリアランス確保上若干長くしている。

 クライストチャーチ市内で撮ったものである。



4.66kV送電線

 ローカル系統は、66kVまたは50kVを使用しているが、この写真はクライストチャーチ市内で撮った66kV送電線である。

 220kV送電線がオフセット無しのタイプに対して標準的なオフセットを適用している。
 クライストチャーチ付近では着雪によるスリートジャンプ対策が縦間隔の狭い66kV送電線では必要になるためオフセットを適用したと思われる。



 上に掲げた写真とは別の送電線で、クライストチャーチ市内中心部で見られた66kV送電線であるが、ルートの近くにある空港による建造物高さ制限をクリヤーするため水平配列としていると思われ、鉄塔上部には赤白の航空障害標識が塗られている。

 この送電線は66kVローカル送電線としてはめずらしく送電容量確保のため2導体方式を採用し、更に2ルートを並走させて合計4回線でクライストチャーチ郊外の基幹系統変電所(Islington SS)から市内中心部の配電用変電所(Papanui SS)に電力供給している。

 この配電用変電所の電源は、本送電線2ルート4回線のみであり、この送電線だけで人口約35万人のクライストチャーチ市内供給の大半をカバーしていると思われ、66kVの低い電圧の範囲内で最大限の電力供給をしようとしている様子がうかがい知れる。

 この2ルート4回線の常時送電容量は20万kW程度と思われ、66kVの低い電圧の送電系統としては送電容量はかなり多い部類に属すると思われる。



 最後までご覧いただき感謝いたします。


 右写真は、クライストチャーチからテカポ湖に向かう途中、Geraldine-Fairlie Hwyの「天使の丘(Mount Michael)」と呼ばれる見晴らしの良い場所で撮った写真で、白い粒々は遙か彼方まで全てヒツジである。



 万年雪を戴くサザンアルプスの山々を背景に、氷河から流れ出た乳白色の水を湛える湖面が美しいワカティプ湖(Lake Wakatipu)である

 写真右端の一番高く見える山は、アスピリング山岳国立公園(Mount ASPIRING National Park)内のアーンズロー山(Mt.Earnslaw 2,819m)である。

 また、写真左端の島はビッグ島(Pig Island)と呼ばれている島である。


 撮影場所は、クイーンズタウンの中心部から湖畔を23kmほど西に行った所で、写真が趣味の方には湖面の色と遠景の雪を戴く山々のコントラストが刻々と変化するので、早朝から夕刻まで一日中眺めていても飽きない所である。

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